北海道は上士幌町にある「東雲湖」は、支笏湖の近くのオコタンペ湖、阿寒のオンネトーとともに、北海道三大秘湖に数えられる神秘の湖です。日本の秘境100選のひとつにも数えられ、その姿を拝むには往復3時間のトレッキングが必要です。
「東雲湖」は道内で一番高い場所にある「然別湖」が入り口であり、その「然別湖」へ行くためには、帯広から車やバイクで2時間かかります(バスも出ています)この時点で中々のアクセスの悪さですが、だからこそ秘境です。
なお、2016年の大雨の影響で、鹿追町から然別湖を経て、糠平温泉へと向かう道道85号線は、2017年8月現在通行止になっています(復旧未定)鹿追町から然別湖へは行けますが、然別湖から糠平方面へは抜けられないので、Uターンする必要があります。
ちなみに「然別湖」も十分美しい湖なので、歩きたくない方も「然別湖」を見るだけでも来る価値は十分あります。湖までオール舗装路で車で行けます(下の写真は然別湖)
ナキウサギって?
北海道三大秘湖の東雲湖は「ナキウサギ」の生息地として有名です。「ナキウサギ」とは、日本では北海道だけに生息する小さな可愛いウサギさんのことです。とても可愛い「ナキウサギ」ですが、なんと!実は250万年前の氷河期に誕生した哺乳類で、別名「生きた化石」とも呼ばれている貴重な動物なのです!
この時期に生きていた代表的な生き物は、あの「マンモス」です!ご存知の通りマンモスは絶滅してしまいましたが「ナキウサギ」は氷河期をやり過ごし、現代まで生きているんです!凄くないですか?250「万年前」に生まれたんですよ?残念ながら今は「絶滅危惧種」に指定されていますが、その生命力は驚異的だと言えます。
「ナキウサギ」はウサギといっても、見た目はネズミのような感じです(よく間違われます)そして名前の通り鳴きます「キチ、キチッ、ピィ、ピィ」そんな感じの鳴き声のようです。僕も未だに実物を見たことも、鳴き声を聞いたこともありません(下のナキウサギの写真は、フリー素材のサイトから持ってきました)
そんな希少なナキウサギが、北海道三大秘湖の「東雲湖」に住んでいるなんて、ロマン溢れすぎじゃないですか?もう行くしかないですよね(笑)僕は「ナキウサギ」が見たいから「東雲湖」に行こうと思いました。
ちなみに「ナキウサギ」は、北海道観光のご当地キャラ「キャンちゃん」のモデルです。キュンちゃん自体とても可愛いので、そのモデルがナキウサギと聞けば納得です。僕も妻も北海道に行っては、毎回キャンちゃんグッズを買って帰ってきます(笑)
そして、東雲湖の入り口の然別湖の売店に「キャンちゃん」のグッズが売っていない事に「キャンちゃん」の商売っ気のなさを良い意味で感じました!ここにグッズ置いておいたら絶対売れるでしょ、みたいな(笑)
東雲湖への道のりは長く孤独
然別湖の少し手前に、小さい駐車場があり、そこが東雲湖への入り口になっています。気持ちよく走っていると見過ごすので注意です(然別湖のビジターセンターで地図が貰えます)東雲湖の他に、天望山への登山道の入り口も兼ねているので、辺鄙な場所ですが、割と車は停まっていますし、仮設トイレもあります。
東雲湖への道は、然別湖の湖畔をぐるっと回り込む感じで、往復3時間かかります。ずっと平坦な道なので、疲労感はそんなにないのですが、特に一人でチャレンジすると「孤独感」が半端ないです!
然別湖周辺はいつも霧が多く、どことなく妖艶な雰囲気が漂っています。そんな中、人気のない深い自然の中を、延々と歩くことになるので「今ここにいるのは自分だけ」という気持ちが激しく「孤独感」を誘います。
そして、東雲湖への道は全域でヒグマの生息地です「いつどこに熊がいるのか分からない」それもまた「孤独感」を悪い意味で盛り上げてくれます。もちろん熊よけ鈴などの、熊よけ対策は必須の上のトレッキングです。
さらにさらに、道中は全体的に霧や湿気で湿っているので、普通のパンツはグショグショになります、必ずアウトドア用の防水パンツを持って行きましょう!ビショビショになると気が滅入って来ます。
とにかく一人でトレッキングした感想は「長くて孤独」それに尽きます。2人以上のグループでチャレンジするなら、気持ち的には楽に行けるかもしれません。
苦労した先には絶景が待っている
東雲湖への道中、僕は何度も引き返そうと思いました。あまりにも自然が深いので、これ以上人間が進んでいいのだろうか?そんな気持ちになってしまってくるからです。僕が一人でチャレンジしたこと自体が間違いの可能性もありますが(笑)
正直なところ、楽しくはなかったトレッキングですが、東雲湖の姿を見た瞬間、ここまでの苦労は一気に吹っ飛びました!深い森の中を歩いていると、突如現れる人工物「東雲湖」の看板がゴールです。
辺り一面が霧に包まれていたので、どこが東雲湖なのかサッパリ分からず「せっかく来たのに、、、」と愚痴をこぼしながら戻ろうとした瞬間!まるで映画のようにスーッと一瞬で霧が晴れて、その姿を拝むことができました。
正直言葉に表せません、ただその美しい姿を呆然と見ていました。そしてこう思いました「ここはそっとしておきたい場所だな」と。見に行った僕が言うのもなんですが、ここは人の目に触れず、このままの状態であって欲しい場所だなと。
そう思った瞬間、美しい湖は、またしても一瞬にして霧の中に消えて行きました。今でもあれは夢だったのか、現実だったのか、疑わしくなる現実感がない体験でした。僕のボキャブラリーと写真のクオリティでは、東雲湖の美しさが1パーセントも伝わらないことをお許しください。
最後に、湖まで降りるには、自分の背丈ほどある草をかき分けて行けないと行けません。ちゃんとしたメーカー品のアウトドア用防水ジャケットがない場合は、諦めた方が賢明です(僕は上から眺めて降りませんでした)
霧に包まれる東雲湖は、
北海道の旅のダイジェストムービーでも紹介しています(6分40秒付近から)
残念ながらキュンちゃんに会えず
往復3時間の長い道のりでしたが、残念ながらナキウサギには出会えませんでした。さすが生きた化石!そんなに簡単には会えないようです。けれど、恐らくナキウサギの鳴き声であろうという声は何度か聞きました。特に東雲湖の看板が立つ場所でよく聞こえていたので、ココにいるのは間違いないようです。
しかしながら、今回とても素晴らしい体験ができました!これぞまさに自然の神秘、This is Hokkaido です!
装備を充実させて、次は妻と一緒に再びチャレンジして、今度こそはキュンちゃんに会いたいと思います!
東雲湖
住所:〒080-1407 北海道河東郡上士幌町字上音更
電話番号:0156-69-8181
アクセス:然別湖畔から徒歩片道約1時間30分
注意事項:
熊よけ鈴は必須、飲料を忘れずに、登山届けを必ず出す。
登山の装備がベスト、レインウエアは必須。
登山道入り口までは舗装路で車で行けます。
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